クレタ島で最も美しい都市・ハニア 歴史と風格感じる港町 ギリシャ《公式》
大塚和成です!!!
朝日新聞デジタル&[アンド]
クレタ島で最も美しい都市・ハニア 歴史と風格感じる港町 ギリシャ
オールド・ベネチアン・ハーバー
【連載】あの街の素顔
ヨーロッパではバケーションのハイシーズンである夏が過ぎ、私が住んでいる北欧エストニアでは早くも気温が10度を下回り始めるころ、地中海にあるギリシャのクレタ島はバケーションのベストシーズンを迎えます。日照時間の短い、長い冬を迎える前に、太陽の恵みを受けにヨーロッパ各地からたくさんの人がこの島を訪れます。私たち家族も遅めの夏休みをとりにこの島を訪れました。
地中海に浮かぶギリシャの島々のひとつクレタ島は、紀元前のクレタ文明が栄えた地として知られ、ベネチア共和国やオスマン帝国の支配下にあったこともあります。年間を通して気候が温暖なので、ヨーロッパの人々のバケーションスポットとしてとても人気が高い場所のひとつでもあります。
私たちが訪れたハニアは島の西部にあり、近東と西洋を融合させたような雰囲気を持つ街でした。
【写真】南国情緒豊かなハニアの街
旧市街の入り口に、外見は駅のようなたたずまいの建物があります。中に入ってみると左右に店舗が並び、たくさんの人でにぎわっています。市場です。
十字路の形をしたこの市場の中には、ギリシャの特産物や土産品などが豊富にそろっていました。カラフルなオリーブは大きなバケツに種類別に分けられ、量り売りされています。マリネされたオリーブの葉や、オレガノ、バジル、ローズマリー、ガーリックなど様々な風味のついたエキストラバージンオリーブオイル、スキンケア商品などなど、ギリシャ人の生活に欠かせないオリーブの商品がたくさん売られています。お土産にオリーブオイルとオリーブせっけん、ギリシャ料理によく添えられているヨーグルトとキュウリから作るザジキソース用のスパイスを購入しました。
地中海に囲まれているため、海の恵みも豊かで、多種類の魚介類をそろえた魚屋や、新鮮な魚介類をその場で調理して提供してくれる食堂もあります。チーズも豊富で、特にフェタチーズやゴートチーズは地元の人たちにも愛されているようです。
マーケットを出て街を散策していると、添乗員に連れられた団体客と幾度となくすれ違います。由緒ある建物や、古くて左右均等でない石造りのアパートメント、細い路地など、深く味わいのある旧市街の雰囲気は、自然と足を止めて見入ってしまう景色ばかりです。
れんが造りの建物のすき間から見えるコバルトブルーの海を目指して港にたどり着くと、沖には何十隻ものボートやヨットが白と青のギリシャ国旗を掲げ停泊しています。ストリートパフォーマーが演奏する雰囲気あるアコーディオンの音にぴったりのこのエリアは、オールド・ベネチアン・ハーバーと呼ばれる、ハニアで最も活気あるスポットです。
海を囲んだこの沿岸部は土産店や絶景を楽しみながら食事をすることができるタベルナ(食堂)やカフェ、モスクや船の修理場、灯台のある防波堤が広がっています。
たくさんの人でにぎわい、ほとんどのレストランが満席でしたが、運良く店員さんが声をかけてくれた店に入れました。その「パラッツォ・アル・マーレ」でギリシャ料理を味わうことに。ベネチアンスタイルの建物と灯台のぜいたくな眺めを楽しめるレストランです。
クレタ島に来たら絶対にシーフードが食べたい!と思っていたのですが、楽しみにしていたタコのグリルがテーブルに運ばれて来たときは少しびっくりしました。タコにいくつかのハーブとドライトマト、オリーブオイルをかけただけの本当にシンプルな一品なのです。しかし、一口食べてみると想像もつかないほど、ふわふわで柔らかいタコに再びびっくり。筆者はお酒があまり好きではありませんが、この絶景と海の幸、白ワインで過ごすひと時があるとすれば、まさに夢のようだと思いました。
おなかも気持ちも満たされ、店員さんに会計の合図を出してしばらくすると、クレタ島の名物である蒸留酒のラキと一口サイズのキャラメルプリンが運ばれて来ました。うわさには聞いていましたが、ギリシャのタベルナではこのように食後にデザートまたは果物とラキをサービスで出してくれるところが多いのだそうです。こちらのお店でもサービスで出してくれました。好奇心に負けて、ラキを一口試飲。日本酒とラム酒を混ぜたようなほんのり甘くて飲みやすいデザートワインのようなウォッカ!という感想です。アルコール度数は40%です!
最高の景色とタコのグリル、ポークリブ、バゲット、食後酒と一口サイズのデザートと堪能させていただきましたが、お値段は大人2人と乳児1人で28ユーロとリーズナブル。リピート間違いなしの大満足なレストランでした。
(文・写真 カルーシオン・マリア / 朝日新聞デジタル「&TRAVEL」)
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